タンタルは優れた耐高温性を有しています。融点は2980℃と高く、合金化後も1500℃以上でも良好な強度と耐酸化性を維持します。これは、チタン合金やアルミニウム合金などのほとんどの金属合金をはるかに上回り、極度の高温環境に適しています。
タンタルは非常に強い耐食性を有しています。室温では、酸（フッ化水素酸と発煙硫酸を除く）、アルカリ、塩水とほとんど反応しません。表面には緻密な酸化膜（Ta2O5）が形成されやすく、腐食性媒体の浸透を防ぎます。化学工学や海洋工学などの分野で大きな利点があります。
優れた機械的特性。タンタル合金は高い強度と靭性を兼ね備えています。例えば、Ta-10W合金の引張強度は室温で700MPa以上に達し、低温でも脆化しにくいため、複雑な応力環境に適しています。
タンタル合金は生体適合性が高く、人体組織との適合性はチタン合金に近く、その表面は骨細胞の付着と成長を促進します。理想的な生体医学材料であり、インプラントデバイスへの使用がFDAの認証を受けています。
タンタルは優れた電気的特性と熱的特性を有しています。高い電気伝導性と熱伝導性を持ち、合金化後も安定した電気特性を維持するため、電子部品に適しています。一方、熱膨張係数が低いため、急激な温度変化による変形を抑えることができます。
高密度と加工性：タンタルの密度は16.6g/cm3で、チタン（4.5g/cm3）や鋼（7.8g/cm3）よりも高いため、カウンターウェイトやシールド材など、高密度材料が求められる用途に適しています。さらに、タンタル合金は鍛造、圧延などの加工方法によって様々な形状に加工できます。
