ニオ53-チタン47合金（Nb53-Ti47）は、典型的なβ型チタン合金です。その主な性能上の利点は、優れた低温靭性、高い比強度、良好な機械加工性にあり、特に低温環境での構造用途に適しています。
機械的特性：低温における卓越した性能と極めて高い低温靭性：液体ヘリウム温度（-269℃）でも良好な可塑性を維持し、「低温脆化」を起こさないという、ほとんどの合金とは異なる重要な特性を備えています。高い比強度：室温での引張強度は約700～900MPa、密度は約6.5g/cm³です。多くの構造用鋼やアルミニウム合金よりも強度と重量の比率が優れており、軽量化が求められる用途に適しています。安定した疲労性能：長期繰り返し荷重下でも割れにくく、長寿命で、繰り返し荷重を受ける部品に適しています。
物理的・化学的特性：幅広い適応性と優れた耐食性：大気、海水、ほとんどの中性溶液中で安定した酸化膜を形成し、錆びにくい特性があります。ただし、強酸性媒体中では耐食性が比較的弱いため、追加の保護が必要です。適度な熱伝導性と電気伝導性：熱伝導率は約10～15W/(m·K)、抵抗率は約1.2×10⁻⁶Ω·mであり、特別な設計を必要とせずに一般的な構造部品の伝熱性と断熱性要件を満たすことができます。非磁性特性：非磁性合金に属し、磁場に引き寄せられないため、磁気環境に敏感な機器（医療用画像機器や精密機器など）に適しています。
